レ・ミゼラブル -1995年10周年記念コンサート-

レ・ミゼラブル -1995年10周年記念コンサート-

レ・ミゼラブル -1995年10周年記念コンサート-

世界中にセンセーションを巻き起こしたミュージカル『レ・ミゼラブル』の10周年記念コンサートビデオである。本格的な映画公開を前にして、はやるファンの心を抑えるにはうってつけとでも言おうか。いや、見応えは映画以上かもしれない。映画のキャスティングがややもするとミュージカルの素養のない役者をそろえがちなのに比べ、1995年の本作は夢の競演とも言うべきそうそうたる顔ぶれなのである。ロンドンからオリジナルキャストのコルム・ウィルキンソン(バルジャン)、マイケル・ボール(マリウス)、アルン・アームストロング(テナルディエ)らが再演を果たし、ブロードウェイからはジュディ・キューン(コゼット)、リア・サロンガ(エポニーヌ)、マイケル・マグワイア(アンジョルラス)らが参加。後のロンドン・キャストからルーシー・ヘンシャル(ファンテーヌ)、オーストラリアからフィリップ・クォスト(ジャベール)も名を連ねている。
アラン・ブーブリルと、音楽も手がけたクロード=ミッシェル・シェーンベルグによる作品は、革命前のフランスを舞台に繰り広げられるビクトル・ユーゴー原作の壮大な物語が持つ熱情を鮮やかに描き出しており、涙誘うバラッド(「I Dreamed a Dream(夢やぶれて)」、「Bring Him Home(彼を帰して)」や聞く者の心を鼓舞する賛歌(「Do You Hear the People Sing?(民衆の歌)」など数々のナンバーを含む。このコンサートの形式は、いわゆる舞台劇というよりは劇仕立てのカンタータ、といった趣で、スタンドマイクの前で歌う役者のバックにコーラスとオーケストラを配している。役者たちは衣装を身につけており、ちょっとした演技も披露するし、クライマックスのバリケード・シーンに代表される要所要所では劇中の場面にも切り替わる。ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏は素晴らしく、200名のコーラス員(ロゴ入りTシャツを着用)が立ち上がって歌う「One Day More(ワン・デイ・モア)」などの全員コーラスは感動で身の毛もよだつほど。データや場面説明が字幕で入るため、ストーリー展開もわかりやすい。
147分中には、レ・ミゼラブルがアメリカPBSで放送された時には見られなかったシーンも加えられており、アンコールで各国のバルジャン役総勢17名が次々に登場し、「Do You Hear the People Sing?(民衆の歌)」を歌うくだりは圧巻。世界のバルジャンたちが自国の歌詞でフレーズごとに歌いついでゆくさまに、レ・ミゼラブルが世界でゆるがぬ人気を持ち続けているあかしを見る思いである。(David Horiuchi, Amazon.com)

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