ナタリー・デセイ「奇跡の声」オン・ステージ
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ブリリアント・ドウセイ
この鮮烈な声を持つ歌姫がdebutして何年経つのだろう。ちょっとエキセントリックな雰囲気を、その容姿に漂わせつつシャブリエ、ミヨー、モンドンヴィルなどのかなりレアなオペラ・アリアを聴かせてくれた彼女だった。声帯を痛めたり何だりで、世界的にその登場が待たれている歌手の一人ではないだろうか。だからこの度リリースされたこのdvdに私はとびついた。「エクセレント!」の一言につきる正に「シンギング・アクトレス」の名にふさわしいシーンの数々。エレガンスを振りまきながら超アクートを難なく歌ってしまう「春の声」、「オランピア」役三様は、思わず笑ってしまう2編と、変わった演出の1編。「ルチア」、「アムレット」は、得意とする役柄であるから、聴き手にもてごたえあるところ。演出家がもしやマゾヒスト?僕的には、古のメルバ、カルヴェ、サンダソン、が華麗に歌い、演じた如きオフェリがみたかった。上演機会が少ない佳品なのだから。割りに面白かったのは「地獄のオルフェ」。彼女のコメデイー・センスが冴えているのでは?ただこの作品で、声に関して言うなら、彼女の先輩格であるM・メスプレの方が合っているとおもう。全体的に、重複曲が多く、その分「連隊の娘」、「ロメオとジュリエット」、「ラ・ソナンブラ」の艶姿を入れてくれたらもっとすごかったのに・・・。メスプレの声と比べて、少し消耗し易い声帯のような気がするので、作品を慎重に選んで息の長い歌い手として、僕達をいつまでも楽しませていただきたい。
これは凄い!
CDでは知っていたけど、このDVDを見て大ファンになってしまいました。
超高音もすばらしい伸びだし、速いパッセージの音の粒が揃っています。
それを素晴らしい演技をしながら歌いきるのですから、
思わず感嘆してしまうのも無理はありません。
1曲目の「春の声」、以前カラヤン指揮のバトルの歌で知っていましたが、
それより自由に歌いこなしている感じがあります。
ルチアの狂乱の場も本当に迫真の演技です。
曲が超絶技巧であることより、ルチアの悲しみがよりクローズアップされて
このオペラの悲劇性が浮き彫りになる演奏になっています。
途中思わず胸が出てしまい、驚いてしまいましたが、
本人はドラマにのめり込んでいて、なりふり構わぬ迫真の演技に脱帽です。
「天国と地獄」は、本当に面白いところを抜粋してあって、
下世話で品のない場面でありながら、それを支える技術は確実で素晴らしく、
一級品の芸術に仕上がっています。フランスならではの演出だと思います。
「子供と魔術」もこれまた息を呑む名演!
オランピアの歌やツェルビネッタの超絶技巧の曲は、
違った劇場での公演記録が収録されていて、
彼女の歌唱の様子は言うに及ばず、演出の違いやそれによる演技の違いやら、
比べて見ていると本当に楽しいです。
私は夜の女王の有名なアリアが特に気に入りましたが、
あのアリアがあんな人間味溢れる苦悩の表情で歌われるのは
このDVDで初めて見ました。
思えば、憎いのは旦那の方であって娘ではないのだから、
ああして言い放たなければならない母の葛藤があるわけで、
ああいう表情がつくのはまっとうなことかも知れません。
ナタリー・デセイ、本当に舞台の人だと実感できる名盤です。
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