アドレナリンドライブ

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97年作の『ひみつの花園』からほぼ3年ぶりということで、公開時は首を長くして待っていたファンで映画館が埋まったという、矢口史靖監督の3作目である。
物語は、気弱なレンタカー屋と要領の悪い看護婦という、なんともサエない男女が、棚からボタ餅でヤクザの裏金約2億円を持ち逃げすることに始まる。そこからおなじみの、偶然が偶然を呼びまくる大ボラ活劇が繰り広げられるわけだが、新機軸は視点が複数になったこと。たとえば主人公の散財話だの、各脇役のエピソードだのがもり込まれ、これまでのような、ひたすら前のめりにつき進む展開のスリル感こそ薄まったものの、直線的な笑いとはまた異なるおかしさが生み出されて、それはそれでおもしろい。
軟弱者の役では異彩を放つ安藤政信、動きに抜群のキレがある石田ひかりの主演2人を筆頭に、配役もいつもながらに秀逸だ。(武内 誠)

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