ヨシュア・トゥリー
「クラシック・アルバムズ」シリーズの中の1作品で、1999年に製作された本ドキュメンタリーでは、彼らの本拠地ダブリンでレコーディングされたU2の名作『ヨシュア・トゥリー』の製作にかかわったクリエーターたちが、この名盤が誕生するに至った魔法の数々を解き明かす。共同プロデューサーのダニエル・ラノワやブライアン・イーノ、ミキサーのスティーヴ・リリーホワイト、ギタリストのジ・エッジが、収録曲を1曲ずつ丁寧に解説。多くのクリエーターの献身的な貢献があったからこそ、U2の素晴らしい楽曲が生まれたことが明らかになる。ラノワが楽曲を分析している間、音楽に聴き入っているボノは、自らのボーカルについては実に控えめだ。しかし、アルバムについては雄弁に語る。ボノいわく、革新的なサウンド面では「全くアイリッシュ風ではない」が、音楽に込められた感情やインスピレーションを与えてくれたものについては「とてもアイリッシュ的」だとのこと。その後、ジ・エッジが登場。アルバム全体に流れる「映画的な」サウンドについて説明する。これは、リスナーをそれぞれの楽曲が持つムードや世界観の中に引き込むための試みだという。
ベースのアダム・クレイトンとドラムのラリー・マレンも素晴らしいコメントで参加。この作品にはビデオ・クリップからの場面抜粋やコンサート映像、製作秘話などがふんだんに盛り込まれている。イーノは拷問ともいえるレコーディングプロセスを紹介。「約束の地」の収録では、マスターテープを「偶然」消してしまい、いちから撮り直すことになったと語る。また、「ブレット・ザ・ブルー・スカイ」は、レッド・ツェッペリンの影響を色濃く受けた曲だとボノが認めるインタビューも。内部で使用するために撮られた映像の数々は、楽曲の形が徐々に出来上がっていくプロセスを詳細に記録し、作品に携わった面々の間に生まれる魔法のような力やコラボレーションを写し取っている。このような映像がもっとあればよいのにと思わざるを得ない。この作品を見てから改めて『ヨシュア・トゥリー』を聴くと、一層深く心に響く。(Jeff Shannon, Amazon.com)
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