南の虹のルーシー(1)
イギリスからオーストラリアへ、自分たちの農場を持つことを夢見て移民したホップル一家。苦難を乗り越えていく家族の姿を、その三女ルーシーメイを中心に描いた、1982年放送、8本目の「世界名作劇場」。フィリス・ピディングトン原作『南の虹』をアニメ化したものだ。
この前年に放送された「ふしぎの島のフローネ」に引き続き、家族をテーマに描かれた作品(子どもの頃は「フローネの遭難しなかったバージョン」だと勝手に思ってたっけ…)。しかし、こちらの一家が直面する悩みはお金のことや仕事のことなどずいぶん現実的。一家の主も、かなり頼れたフローネのお父さんに比べると、ルーシーのお父さんは落ち込んで酒におぼれたりと、ずいぶん人間くさい。しかしそんな悲惨な状況の中で、助け合いながら強く生きていく人々を描くことこそ、「名作」シリーズの真骨頂。淡々とした描写を見ているうちにいつの間にか、一家に起こることに一喜一憂させられてしまう。ルーシーが事故に遭って記憶喪失になることから始まる終盤の展開は、ほどよいケレンとなっている。
ルーシーとその姉ケイトの無邪気な存在感や、動物好きのルーシーが飼う動物たちの自然な可愛らしさが、硬派なお話にほっとする雰囲気をもたらしているのもいい。いろいろな意味でバランスの良い佳作である。(安川正吾)
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現実的で、日常的な感じ。
まず、主題歌には触れなければいけませんよね。「虹になりたい」は本当にいい歌だと思います。
「希望にとどく虹になりたい」という最後のフレーズは大好きですし、アニメーションしない映像の一つ一つから
オーストラリアへ渡った移民の苦労がここまで伝わってきそうな感じです。
話自体はそんなに大きな出来事があるわけでもなく、騒がしくなく地味に描写が進む感じで『赤毛のアン』などと
同じくくりで捉えられそうな気がします。だから現代アニメを見ている子からすればちょっと退屈かもしれません。
かなり重々しい、移民の苦労が伝わってくる作品で非常に現実味があります。一方でルーシーメイとケイトのやりとりなど
そこら辺にいるちょっとマセた元気な姉妹、という感じで日常感にあふれています。
「家族」というものを何の演出も無く正面からありのままに描いている感じです。
ほのぼの~、であり、ひしひし、であり、そんな作品だと思います。
作り手には罪が無く申し訳ないのですが、なんだかよく今でもテレビのナレーションなどに登場する声優さんが
多く参加しているらしく、ちょっと違和感を感じるかもしれません。悪役なぺティウェルさんの声を聴くたび
ぶらりと途中下車したくなります…。
