ワイト島ライヴ1970
マーレイ・ラーナー監督のドキュメンタリー映画『ワイト島ライヴ1970』は、劇場公開まで実に半世紀もかかっている。しかし、公開されるやいなや、ラーナーが撮影した、ザ・フーの野外ライヴでの扇動的なパフォーマンスは非常に貴重なものであることが証明された。ラーナーはザ・フーの演奏を完全に記録、それらは熱心なファンもベストなものの一つと認めるところだウッドストックのぼろぼろの演奏から丸1年後(ギタリストのピート・タウンゼントが、ドラッグが混ぜられた飲み物のせいで最悪の状態だったという伝説あり)、トラブル続きのワイト島フェスティバルで、ザ・フーは勢いある演奏を披露、壮大なノイズでひとつのR&Rの歴史を作った。本作の中で、シンガーであるロジャー・ダルトリーが一言二言ほのめかしているのを除けば、バンドが『ロック・オペラ“トミー”』の長いツアーと、後に廃棄されることになるアルバム・レコーディング(この代わりに制作されたのが、新時代の幕開けとなる『フーズ・ネクスト+7』)の合間にあることは伝わってこない。とん挫したアルバムからの新曲も3曲収録(あまりのひどさに中止になったのもすぐ納得)。だが、それよりも重要なのは、短縮ヴァージョンだがスリリングな『トミー』と、「シェイキン・オール・オーヴァー」「アイ・キャント・エクスプレイン」「マジック・バス」といったおなじみの過去の曲の、気迫のこもった演奏だ。故キース・ムーンとタウンゼントのおふざけMCはいい息抜きになり、かなり長いために実際DVDではそれだけ別個のコンテンツにまとめられている。他のDVD特典はない。しかし、最高のコンサート、これがすべてを物語っている。(Tom Keogh, Amazon.com)
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