クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)
クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組)
バツイチのフリーライター佐倉明日香は、目覚めたら真っ白な部屋で手足を拘束されて寝ていた。彼女は閉鎖病棟の中でもやっかいな患者が入れられる“クワイエットルーム”にいたのだ。この病院には、自分の髪を燃やしたり、拒食症で吐いたり、何度も閉鎖病棟から出ようとしてはがい締めにされたりといろんなタイプの病んだ人がいた。でも私はフツーなのに…。やってきた恋人に聞くと、どうやらオーバードーズで倒れて運ばれたらしい。睡眠薬の量が多すぎたのだ。明日香はずっと不眠症で、それは離婚したときから始まっていた。いったい何があったのか? 彼女は閉鎖病棟から出ることができるのか?
“大人計画”の松尾スズキが、芥川賞候補になった自身の同名小説を映画化したブラックな味わいのコミカルな人間ドラマ。フツーの人と病んだ人の境界線を笑いを散りばめながら、病院内の人間関係とヒロインの過去を織りまぜて描く。院内の奇妙な人間関係には笑いだけでなく切なさや悔しさや厳しさもあり、そして過去を振り返ることで自暴自棄になっていた自分と向き合い乗り越えていくヒロインの姿は感動的だ。ヘビィなテーマだが決して重くならず、かといって軽いわけでもない、絶妙のさじ加減で松尾節を駆使して、人間と愛とどん底からの希望を描ききった監督の力量に脱帽! そして内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、大竹しのぶ、りょうらのキャストの演技も見応えありの傑作だ。(斎藤香)
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難しいテーマを俳優陣の熱演で見事に描ききった作品
松尾スズキ監督による本作品は、内田有紀、宮藤官九郎、蒼井優、大竹しのぶ、妻夫木聡、高橋真唯など実力のある俳優を揃えたものですし、またそのような難しい演技力を要求されるシチューエーションでもありました。何しろ精神科の閉鎖病棟が舞台ですから、デリケートな問題を含みますが、丁寧に描けていたのではないかと思います。
精神科の隔離病棟を舞台にして、そこにいる人達の心の中に入り込みながら、人間の悲しさや面白さを映画にしています。俳優の演技が凄かったですね。主人公も膨大な仕事と様々な苦しい出来事により相当追い込まれた生活をしていたのが少しずつ分かってきます。人間の心なんてもろいもので、多忙がそれに輪をかけたようですね。
内田有紀の体当たりの演技、宮藤官九郎の巧みさ、大竹しのぶの怪演には圧倒されました。大竹しのぶでしか表現できない役でしたね。相当減量して拒食症の患者を演じた蒼井優は、女優魂を見た思いです。素晴らしい俳優だと思っております。
映画「カッコーの巣の上で」よりずっと温かみのある人間描写なのは間違いありません。
現代社会は、ストレスの多い社会です。様々な人間関係の軋轢により、心の変調を訴える人も相当多くなっています。実際、映画の主人公同様、忙しすぎる毎日を送っている人をみると限界に挑戦しているように感じることもあります。
この映画で訴えたかったのは、心のあり方のもろさと危うさと日常生活が非常に接点を持っているということでしょうか。忙しい毎日を送られている人にご覧いただきたい映画です。
ODQR
ゲップ、ゲロ、じんましん。“いわゆる”キャンペーンモデルだった内田有紀が、<汚ギャル>を怪演して見事な復活をはたしている。ゲップ一つを比べてみても、同じ離婚を経験した竹内結子と比べると、内田有紀のふっきれ感は相当なものだ。その内田が睡眠薬のOD(飲みすぎ)によって、精神病院の隔離病室(通称クワイエットルーム)に間違って入れられてしまうところからお話が始まる。
『病院へ行こう』や『17才のカルテ』とストーリーはどこか似ているが、大竹しのぶや蒼井優、お笑いのはりせんぼんまで加えた女性共演陣の強力なサポートを得て、笑いのレベルでははるかに上をいっている(鼻汁シーンはかなりツボだった)。舞台出身の松尾スズキが監督しているが、三谷幸喜のような<舞台特有の間>に違和感を覚えることもなく、映画らしい間で現代チックな会話を十二分に楽しめる作品だ。
しかしこの映画がすばらしいのは、そんなコメディの要素だけではない。明日香(内田有紀)がQRに担ぎ込まれた真事実が、時間軸をうまく前後させてあかされていくミステリー的要素も楽しめ、途中退院していった隣のベッドの奥さんや病院を脱走していなくなった金原さん(エンドロールが出ても直ぐに席を立ってはいけません)の伏線も忘れることなく、最後にきっちりと刈り取っている。監督の意外と几帳面な性格を確認できる完成度の高い一本である。
松尾スズキはやっぱり天才だ!!
冒頭に大きな謎をもってきて、それを引っ張りながら、徐々に種明かしをしていく構成が面白い。さらに、彼女がクワイエットルームに担ぎこまれるまでの過程を「羅生門」的な視点で描くという、ギミックもスリリング。
それにしても、人と異なる価値観を持つと言う事は、個性的であると同時に、社会からはみ出している、うっとうしい存在だと気付づかされます。
社会から隔離された人々それぞれに、自分は正常であるとする理由を持っている。また、病院から正常と判断されても、まだ社会に適合できないでいる。こっちとあっちの境界線なんて曖昧だし、社会でちょっと我慢ができなかっただけで、あっちへ行ってしまうものだなと思う。
彼女が入れられてしまった精神病院で出会う患者たち(蒼井優、大竹しのぶ、中村優子、高橋真唯、馬渕英俚可、筒井真理子などなど)のさまざまな特異性のスケッチが「今」を感じさせます。
拒食症患者と過食症患者に変貌した、蒼井優と大竹しのぶという、新旧カメレオン女優対決もスゴイ。特に、松尾スズキが、蒼井優を(彼女自身もインタビューに答えている)『新境地』に連れ出したのは、一番の見どころかも。主演の内田有紀は、本人の私生活のセルフパロディ的な設定もありますが、顔面ゲロまみれもいとわない女優魂を披露。コメディエンヌとしての顔も魅せます。
不敵な看護士役のりょうは、プロとして、しゃきっとした演技をしていましたね。宮藤官九郎はあいかわらず「天才的」な才能をちらちらと見せるし、妻夫木聰は、別人になったかのような演技で、遊び心を見せる。(笑)
一見、ユーモラスな群像コメディでありながら、リアルな人間ドラマでした。それも超ブラックな...。
大竹しのぶ恐るべし
地を這うようにのたうちまわっている人たちの映画です。
そういう人たちを、変に同情したり、変に美化したりせず、
ある意味シビアに、でも温かく描いています。
自分は個人的な理由もあって、泣きました。
にしても、大竹しのぶ、久しぶりに見たけど、すげえな。
あの人が出ると、他の役者がダイコンに見えるから、まずいんじゃないか。
個人的には、蒼井優とか、「リリー・シュシュ…」以来のファンで、
かなり高く評価してるのですが、残念ながら格が違いました。
まさに「舞台荒らし」!!
Life is happy?
みんな、自分が正しいと、普通だと、幸せだと思って生きていきたいんだろうだなあ。
ぐるぐるぐるぐる繰り返しの目まぐるしい現代社会の中の幸せってなんなんでしょう。
そんなことを考えさせられた。
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