ポセイドン・アドベンチャー
ポール・ギャリコの小説を映画化した、ロナルド・ニーム監督の名作パニック映画のリメイクだが、もともとは米ホールマーク・エンタテインメントによるテレフィーチャーで、映画としてのリメイク「ポセイドン」に先立つ2005年に製作された作品。こうしたバックグラウンドを知ると、いかにもあやかり作品と思われそうだが、これがなかなかおもしろい。物語の大筋はニーム監督の映画と同じく、転覆した豪華客船ポセイドン号から決死の脱出を試みる乗客たちを描くものだが、このホールマーク版ではポセイドン号の転覆の要因を大津波ではなくテロリストによる爆破事件と変更した。つまり“天災”から“人災”に変わったわけだが、この変更により、あたかも神にもてあそばれているかのような絶望的な道行が、明確な解決を求めての前進として描かれた、この違いは大きい。テロ対策として解決に動き出す政府機関や特殊救助隊の描写も加わり、より綿密かつ広範囲に事件の全貌と顛末を描くことに成功している。転覆船からの脱出劇を描くことだけに終始した「ポセイドン」に比べて、キャラクター描写も危機的シチュエーションのサスペンス性も、はるかに見ごたえのあるドラマを見せてくれるのは、ディテールを積み重ねることができるテレフィーチャー故といった理由だけではないだろう。 ポセイドン号の船長名が原作者と同じなのは、スタッフのお遊びか。(斉藤守彦)
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