O Genio: Live in Brazil 1963

O Genio: Live in Brazil 1963

O Genio: Live in Brazil 1963

本作『O Genio: Live in Brazil 1963』は、実に驚くべきドキュメントだ。20世紀の偉大なアーティストたちの目録に、かけがえのない1作が加わった。ここにいるのは、32歳の時の「O Genio(ポルトガル語で天才の意)」ことレイ・チャールズ。本作の数年前まで、彼はアトランティック・レコードで数々の名曲を録音しながら、必然的にソウル・ミュージックを“発明”していった。そして、本作の前年には、アルバム『Modern Sounds in Country and Western Music』によって、再びポピュラー音楽に変革を巻き起こした。まさしく全盛期を迎えていたと言えるだろう。このDVDには、チャールズとそのオーケストラによるサン・パウロ公演2回分をノー・カットで収録。どちらのステージもモノクロ撮影で、重複する曲も多いが、なぜか音質・画質は2回目よりも1回目のほうが断然よい。それにしても、何という楽曲群だろう。ひとりの男が最大のヒット・ナンバーのひとつ「What'd I Say」でステージをスタートさせるや、何だかのっぴきならない力で自分が引き込まれていくのが分かる。それに、チャールズは期待を裏切らない。カントリー&ウエスタン(陳腐な「You Are My Sunshine」をファンキーでスウィング感あふれるチューンに変身させられるのはレイ・チャールズぐらいのもの)、ブルース(「In the Evening (When the Sun Goes Down)」)、ジャズ(「Birth of a Band」とボビー・ティモンズの名曲「Moanin'」、どちらもインストながら聴き応えあり)などなど、多彩なレパートリーを総動員してくる。加えて、「Hit the Road Jack」、「Hallelujah I Love Her So」など、チャールズ自身のスタンダード・ナンバーも登場。バンドにはサキソフォニストのデヴィッド・ファットヘッド・ニューマンや、たぶんレイレッツの最重要メンバーだったマージー・ヘンドリックスの顔も見える。しかし、このショーの主役はレイ・チャールズだ。本作『O Genio: Live in Brazil 1963』は、巨匠の仕事を味わう絶好の機会を提供してくれる。(Sam Graham, Amazon.com)

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