モーツァルト 歌劇《魔笛》全曲
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やっぱり面白い!
久しぶりに魔笛の舞台を見に行くので、ストーリーを思い出すために
このソフトを引っ張り出してきて見ました。
おとぎ話的な要素をメインにしたオーソドックスな舞台作りは、
何度見ても飽きがきませんし、未だに素晴らしい歌手陣に再度驚いてしまいます。
高音に至るまで声が自然に伸びるグルベローヴァの歌唱は
彼女の全盛期の一番いい頃の記録ですし、
亡くなってしまったポップの理性的な歌唱もとっても素晴らしいものです。
モルのビンビンと響き渡る低音や、若々しいアライサの瑞々しい声も、
ブレンデルや3官女も、どれも本当に満足のいく歌唱です。
現代ならもっと演出家や指揮者の力が大きくなっていて、
こんな風に歌手たちが伸び伸びと歌う演奏は少ないかも知れません。
とっても価値ある一枚だと思います。
素晴らしいの一言に尽きる
よく『オペラの初心者に』とか『オペラの入門に最適』などと推薦される『魔笛』ですが、
このサヴァリッシュ盤は本来の『魔笛とは誰のためのオペラか』を理解している人のために細部まで演出された傑作。ザラストロの神殿が一番それを物語っている。
役者・演奏・演出・美術のどれをとっても素晴らしく、良いところを挙げれば本当にきりがないが、では『欠点は?』と訊かれても答えが見つからない。
録音技術の問題から、演者の身体の向きによって音量(声量)が変わるのを気に入らない人もいるかも知れないが、
実際の舞台で観ていれば当然のことなので欠点にはならないでしょう。
こんな素敵な舞台をDVDで何度も観れるなんて、何とも幸せである。
何度観ても飽きない舞台
優れた『魔笛』のDVDには、(1)今回再発売された、本作。ザバリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場、1983、(2)ベルイマン演出、スウェーデン放送響、1974、(3)レヴァイン指揮、メトロポリタン歌劇場、1991、(4)ゲネンヴァイン指揮、マンテイ演出、ルードヴィッヒスブルグ音楽祭、1992、などがある。それぞれ特徴があり、(2)はベルイマン好みの北欧の美男美女が、(3)はキャサリーン・バトルのパミーナが楽しめる。(4)は、現代の前衛的演出によるもので、研ぎ澄まされたスタイリッシュな美しさが印象的。
『魔笛』は一種のメルヘンなので、いくらでも過激な演出が可能である。2006年来日したコンヴィチュニー演出は、現代に場を移した衝撃的なものだった。しかしモーツァルトの原作に忠実な上演という点で、本作は大変優れている。とりわけ、ルチア・ポップのパミーナは素晴しく、彼女の代表作の一つとなった。夜の女王のグルベローヴァや、パパゲーノ役のブレンデルも当たり役だ。私は、『魔笛』のもっとも魅力的なキャラは、パパゲーノとパミーナであり、彼らこそ本当の主人公だと思うのだが、本作でも、第一幕の二人のデュエット「Mann und Weib」は限りなく美しい。最後の「パ、パ、パ」のところも、可愛い子供たちの溢れるほほえましい演出。
オーソドックスな魅力の大切さを改めて実感させてくれる演出
一時は久しく品切れ状態になっていたりもしたサヴァリッシュの『魔笛』のDVDが、DTS音声と原語字幕をともなって復活しました。この盤の上演は、しばしば「オーソドックスな演出」と表現されています。そして現代ではあまりオーソドックスな演出を好まない風潮が、一部の評論家の方々などの間に見られます。しかし、特にドイツ系オペラの場合、もともと非現実的な童話的・神話的な題材が多いのですから、特にオペラ初心者の方々は、最初からあまり奇をてらったような演出を見てしまうと、もとの話がどういうストーリーなのかよくわからなくなってしまうでしょう。その点、この盤なら安心して初心者の方にも薦められます。無論、オーソドックスなだけが取り得の演奏というわけではなく、歌手・指揮者・オーケストラのいずれもまずは非の打ち所のない演奏をしてくれています。名実共に『魔笛』の代表的名盤と言ってよいものでしょう
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