スーパー・ベスト・ヒット・コレクション

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ミュージック・ビデオの世界では見た目がすべて。常にころころ変わるMTVの流行を利用することにかけて、文字通り100万ドルのルックスを持つマドンナ以上に秀でたスターはほとんどいないといっていいだろう。音楽や流行の最先端にいる人々とうまくつきあうことがマドンナの才能。この2枚組ベストに収められたビデオを見ると、たちまち1980~1990年代のキラめいていたポップ・カルチャーを思い出す。ディスク1には、「ラッキースター」から「ヴォーグ」までの初期ビデオを収録。カソリック風昼メロ「パパ・ドント・プリーチ」や「エクスプレス・ユアセルフ」の複数ヴァージョン、デヴィッド・フィンチャーが『セブン』『ファイト・クラブ』などのメジャー映画に進出する足がかりとなった「オー・ファーザー」「ヴォーグ」なども収録されている。
フィンチャーの撮ったビデオ「バッド・ガール」がオープニングを飾るディスク2には、1993~1999年分のビデオを収録。特にマーク・ロマネックの「レイン」は、最初の8曲の中でもダントツに際だっている。ディスク1の初期ベスト・ヒッツに比べ、アルバム『レイ・オブ・ライト』から5曲、そして『オースティン・パワーズ』の主題歌「ビューティフル・ストレンジャー」が入ったディスク2は、楽曲の良さによってビデオのクオリティが顕著に上がることを証明している。ライトなつくりの「フィーヴァー」「愛は色あせて」に比べると、シュールレアリズムまがいの「ベッドタイム・ストーリー」、薄っぺらなSM趣味が続く「ヒューマン・ネイチャー」などの後期ビデオの方が明らかに進歩している。“トーマス・クラウン・アフェア”的エロティシズムの「パワー・オブ・グッバイ」はすでに若干時代遅れに見えるが、「フローズン」で変幻する黒い魔女、「レイ・オブ・ライト」での早回しの日常風景はどちらも描写が素晴らしい。最高なのは「サブスティテュート・フォー・ラヴ」の最後の場面。パパラッツィ攻勢と厳しい状況をしのぎ、人々の好奇に耐えたマドンナと子どもは、プライベートな時間を得てほっとするのだ。へたすれば気恥ずかしくなることをあえて取り上げ、それを遊び心を持つと同時に感動的なものにしてしまう彼女の力がこれ以上に顕著なところはない。
どちらのディスクにも特典はない。が、今までのミュージック・ビデオがDVDでどんどん再発されている理由が、すばらしいサウンド・クオリティにあることが十分わかるだろう。『マドンナ スーパー・ベスト・ヒット・コレクション』を買えば、今後、ほかのベスト盤CDでは満足できなくなるのは間違いなし。(Steve Napleton, Amazon.com)

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