ワッツタックス / スタックス・コンサート

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ワッツタックスは「黒いウッドストック」と呼ばれた。しかし、あの一大旋風を巻き起こしたヒッピー・イベントと1972年に開かれたコンサートの間には、多くの違いがあるのだ。それは、30周年記念特別盤となって登場した本作での記録を見ればよく分かる。ウッドストックは平和と愛と音楽がすべてだった。同様の要素は、その3年後にロサンジェルスで開催されたワッツタックスにもあったと言えるだろう。だが、この103分間の作品を見て思い出されるのは、より社会的・政治的性格の強いイベントだったということだ。黒人の誇りを高々と掲げたワッツタックスは、アフリカ系アメリカ人がプライドという言葉を堂々と口にすることのできる唯一の機会だった。それを証明するのが、ジェシー・ジャクソンの開幕宣言「私はひとかどの人間である」だ。また、ウッドストックの映画と比べると、本作は音楽の占める割合がずいぶんと低い。タイトルが示すとおり、スタックス・レコード所属のアーティストたち(ルーファス & カーラ・トーマス、バーケイズ、ステイプル・シンガーズ、それに大トリのアイザック・ヘイズら)が大挙出演してパフォーマンスを展開する。しかし、ワッツタックスという事件の大半は、会場となったロサンジェルス・メモリアム・コロシアムの中で起こったわけではない。ワッツ地区の教会で、店で、街角で起こったのだ(というわけで、音楽ファンならワッツタックスの2枚組CD『Living Word』を選んだほうがベター)。実際、本作は音楽映画というより、ワッツ地区の暴動から7年を経た黒人たちの生活の記録という趣きが強い。司会を務めたコメディアンのリチャード・プライヤー(大いに笑わせてくれるが、酷評された)の言葉を借りるなら、「黒人の経験を詰め込んだソウルフルな表現」ということになる。(Sam Graham, Amazon.com)

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