Live at Last (Jewl)
シンディ・ローパーの話し方はイーディス・バンカーに似ている。この点で、ローパーは典型的なクイーンズ地区出身の女性だ。しかし、彼女の歌い方はバンカーとはまったく違う。実際、アルバム『She's So Unusual』でポップ・シーンに飛び出してから20年が経ったというのに、ローパーはいつになく力強い歌声を聴かせている。その証拠が、この『Live at Last』だ。
全16曲収録、112分間の本作は、2004年3月にニューヨークで開かれたコンサートの記録である。『Live at Last』(“待ちかねたライヴ”の意)というタイトルは、2003年にローパーがリリースした同名CDから取られたものだが、同時に、1987年の『Cyndi Lauper in Paris』以来となるローパーのコンサート・ビデオという意味合いもある。ノラ・ジョーンズ、ダイアナ・クラールといった大人しい女性シンガーたちと異なり、ローパーは声を張り上げて歌うのを好む。時としてやりすぎの感もあるが、「I Drove All Night」、「All Through the Night」、それに最大のヒットとなった「Time After Time」、サルサ風の「Girls Just Want to Have Fun」といったおなじみのナンバーをパワフルに歌い上げる際の迫力は脱帽もの。そう、ローパーがもっとも輝くのは、単純明快にロックするときなのだ。一方、「Walk On By」、「If You Go Away」、「Don't Let Me Be Misunderstood」などのポップ・スタンダードは、アレンジの重々しさ、行儀のよさ、メロドラマティックさがネックとなり、数段落ちる出来に終わっている。フレンチ・カフェの雰囲気をたたえた「She Bop」も、キュートだが物足らない。ビジュアル(高解像度・ワイドスクリーン仕様)、サウンドは文句なし。ボーナス映像では、ローパーによるクイーンズ地区のガイド・ツアーを見ることができる。(Sam Graham, Amazon.com)
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