プレイ-ザ・ビデオ
高度な作詞作曲能力、映画的なサウンドスケープ、胸躍るコンサート、ざん新なビデオ。ピーター・ガブリエルは長年にわたり尊敬の的として君臨し続けている。となれば、本作『Play: The Videos』が後生に残るミュージックDVDであることに何の驚きがあるだろうか? 当然、何の驚きもない。しかし、だからといって本作を見たり聴いたりするスリルが減じるわけではなかろう。ガブリエルは、26本のビデオ・クリップを集め、磨きをかけた。全部見るには一晩かかりそうな量だ。いずれも革新的なビジュアル・アーティストや監督とのコラボレーションであり、スティーヴン・ジョンソン、マット・マハリン、フランソワ・フォーゲル、ショーン・ペンらがメガホンを取っている。1977年のプロモ「Modern Love」から2003年の「Growing Up」までと、その間に発表された多数の作品が、すべてここにあるのだ。大方の視聴者は、これまでに少なからぬ数のビデオを見落としていたことを知って驚くことだろう。明らかにコンセプト重視の作品が多いのは大きな特徴だ。唯一の例外的ビジュアルは、特典の一部として収録されている「Games Without Frontiers」で、2004年のライヴ演奏の模様が映し出される。
付属のエッセイでガブリエルが語るところによると、「映像と音楽を合体させるよりも、音楽単体の方が繰り返しての鑑賞に耐え得る」。本作には、この持論を地で行くような特典が用意されている。全トラックがドルビー・デジタルとDTS 96/24の2種類で5.1chサラウンドにリミックスされているのだ。この作業の指揮を大部分の曲で執ったのは、ガブリエルやU2との仕事で知られるベテラン・プロデューサー、ダニエル・ラノワ。DTS対応のDVDプレイヤーを使用すれば標準的なDTSサウンドで再生できるが、ここは欲張って、DTS 96/24対応のプレイヤーでロスレスな高分解能サウンドを楽しみたいところだ。サラウンド・ミックスには、天才的なひらめきが随所で確認できる。これらは、ガブリエル・サウンドのアンビエントな性格を増幅させる一方で、パーカッションの突然の挿入を魅力的に演出し、音楽の隠し味となっている低音部を強調している。(Michael Mikesell, Amazon.com)
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